普通のコーティングをした車のお手入れ

ここまで読み進んできた方は、すでに勉強済みだと思いますが、現在コーティングには従来型の『酸化するコーティング』とニュータイプの『酸化しないコーティング』が混在しています。
『酸化しないコーティング』をしてもらった方は別コーナーで解説していく予定ですので、ここでは従来型の『酸化するコーティング』をした車のお手入れについて簡単に解説します。(尚メンテナンス剤は次のページで紹介します)

従来型の酸化するコーティングはあまり保護効果は期待してはいけない

まず最初に知っておいて頂きたいことは、自動車を錆(さび)などの酸化から守るという根本的観点から見た時に、最高の保護膜は塗装そのものだ…という点です。ポリマーショップで使用されているコーティング剤は塗装と比べれば弱っちい(酸化し易い)ものが多いです。あくまでも犠牲膜として塗装の代わりに痛んでくれる一時的な保護膜と考えなくてはいけません。

営業上の宣伝文句が何年保証であれ、それが酸化する(しやすい)コーティングである限りにおいて、その被膜の犠牲膜効果に期待できるのは平均で3〜4ヶ月、(たぶん)最高でも6ヶ月以内と考えておかないと、えらく損をしたように感じます。

たとえば35,000円かかったとすれば25,000円くらいが復元料と考え、その後のお手入れの『やる気』を復活させてもらったと考えましょう。そして、10,000円の高級ワックスをかけてもらったと思えば損はありません。ただし新車に保護効果の無い(あるいは薄い)コーティングをするのは損な場合が多くなります。『やった方がまし』かどうかを良く考えるべきです。

お手入れは酸化・アルカリやキズとの戦い (愛車の運命はお手入れ次第)

酸化する従来のコーティングは犠牲膜効果のある3〜4ヶ月以降は、最初のコーティング剤は酸化してしまいますから、(この酸化したコーティングが塗装に悪影響を及ぼす前に)除去することが痛み防止策の第一歩です。一般的にはサービスで渡されるクリーナーやメンテナンス剤等をちゃんと使っていれば、(最初のコーティングは)自然に除去され、新しく自分でコーティングしたのと同じ状況が繰り返されるシステムになっています。つまりお手入れ次第ということです。年に何回かお手入れするとして、初回のみお店がやってくれたのと同じ・・・と考えるのが妥当な線でしょう。

※ちなみに酸化の目安は、洗車をする時にスポンジ等のすべりが悪くなった時です。そう感じたら直ちにコーティングし直すのが、酸化するコーティング剤によるメンテナンスのベストなインターバルです。

しかし、この維持方法では鉄粉・酸性雨のクレーター(酸化被害の代表)・鳥糞(アルカリ被害の代表)・洗車キズ(こすれによる被害の代表)という塗装をボロくする3(4)大被害に対して無抵抗状態です。水垢やピッチ・タールだったらクリーニングすれば済むかもしれませんが、これらは直接塗装の運命にかかわる部分です。

※ある5年保証の有名なコーティングの場合でも、『酸による被害・アルカリによる被害・こすれによる被害は補償の対象から除外する。』と明記されています。よーく考えてみるとそれ以外にどんな被害があるのか悩みませんか?

つまり、酸化するコーティングの場合、犠牲膜を常に新鮮なものと入れ替えていき、酸化したコーティングを長く留まらせないように工夫することが、メンテナンスの極意です。また、その間に微妙に劣化してしまった塗装はメンテナンスごとに修復を繰り返せば、微作業なので容易です。
後々、自分で(痛まないように)維持していくための元の状態を作ってもらったと考えれば良いことになりますが、(痛まないように)維持しやすくしてもらったことにはならないと思います。

結局、上から太陽ポリマーでも・・・というのが良いかもしれません。・・・少し本末転倒ですが。
結論としては酸化するコーティングの場合、何回かやるお手入れの最初の一回をやってもらっただけみたいなものですから、高いお金を払ってまでやってもらう価値はやや薄い…という結論です。価値があるとすれば、痛んだ車をピカピカに磨いてもらった部分に見出すべきでしょう。

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